日本人初のプロ選手としてブラジルに渡るなど、黎明期から日本フットサル界を牽引してきたカリスマプレーヤー・甲斐修侍。その彼が、開幕を控えたFリーグにかける熱き思いやフットサル・ファンへのメッセージ、そして初めて明かす(?)時計へのこだわりを語ってくれた。


──この9月からフットサル・ファン待望のFリーグが開幕します。今の率直な気持ちは?
甲斐:まず、Fリーグでプレーできること自体が素直にうれしいですね。全国の数あるチームの中からハードルをクリアした8チームしか参加できないわけですから。
それと同時に、自分たちがこのリーグを盛り上げていかなければならないという使命感もひしひしと感じています。
──Fリーグ開幕により、フットサルへの注目度も俄然高まります。
甲斐:僕はこれまでも人一倍、お客さんを意識したプレーをしてきたつもりなので、個人的にはFリーグになったからといって特別に何か変わるわけではないですね。
ただ、僕ら選手が努めて意識しないといけないのは、どんなコンディションであっても常にベストを尽くさないといけない、ということ。関東リーグ時代と違って、お客さんはお金を払って観に来てくれるようになるわけで
すから。長いシーズンの中では、当然コンディションの波はありますが、「今日は調子が悪いから…」なんていうことは言い訳にできない。逆にそういった緊張感を持ってプレーできるのも、ある意味では楽しいかなと思いますけどね(笑)。
──甲斐さんの言葉を聞いていると、早くもFリーグでの熱い戦いを予感できます。
甲斐:日本フットサル界の歴史で、各チーム、選手がこれまでにない高いモチベーションで開幕を迎えるのは間違いないでしょう。ですから、開幕戦にはぜひ足を運んでいただきたいですね。僕自身の経験から言えることですが、選手がお客さんに“魅せたい”と思う一心から、信じられないようなプレーが生まれることがあるんです。もし、ひどいプレーをしたり、面白くない試合だったら、シビアに「金返せ!」と言ってもらって構いません。お客さんの辛口な意見が選手を育てるし、僕たちもそう言ってもらって初めて気付く部分もある。遠慮せずに叱咤激励してほしいですね。
──Fリーグ加入に伴い、甲斐さんが作り上げた名門・カスカヴェウ東京は、ペスカドーラ町田として生まれ変わりました。
甲斐:チーム設立にあたり応援してくれたみなさんや、町田市の協力には本当に感謝しています。ペスカドーラはそういった自分たちを取り巻く人たちの思いや、サポートによって成り立っているので、そこがカスカヴェウとは大きく違いますね。。
──ズバリ、ペスカドーラ町田のアピールポイントは?
甲斐:一言で表すと“必然性に裏打ちされた攻撃”ですね。分かりやすく言えば、自分たちが意図したとおりのボール回しからシュートまで持っていって点を取る、ということ。僕たちの試合を何回か観てもらえれば、流れの中でたまたま点が入ったわけではないことが分かってもらえると思います。
──それでは、Fリーグ開幕元年への抱負を。
甲斐 月並みですけど、優勝! ただ、初年度はどのチームもモチベーションが高いし、開幕までの準備期間が十分にあるので、今までの力関係や下馬評どおりにはならないと思っています。正直言って僕にもどうなるのか読めないですが、全21試合が終わったときに笑っていられたら最高ですね。
──全国のフットサル・プレーヤーにひとつアドバイスをするとしたら?
甲斐:最も大切なのはプレーを“楽しむ”ってこと。チーム内で何か問題が生じたとしても、全員で“楽しむ”ってキーワードを追求していけば、それが解決への近道だと思うし。僕らも勝たなくちゃいけない使命感を持ちながらも、常にプレーを楽しんでいる。上級者とのフィジカルの差を埋めるのは簡単ではないけれど、“楽しむ”ことにレベルは関係ないからね。

──昨今はフットサルのファッション性にも注目が高まっていますが、甲斐さんはプライベートではどのような格好をされていますか?

甲斐:僕は高校生の頃から奥田民生さんの大ファンで、当時からファッション面はもちろん、多方面で彼の影響を受けているんです。ただ、年齢も年齢ですので、最近はファッションでは冒険しないようにしています(笑)。そんなわけで、モノトーン系のタイトなシルエットのものを好んで着ることが多いですね。僕はスポーツ選手の中では大腿部が太いほうではないので、パンツを選ぶ際にも合うサイズを探すのにあまり苦労しないんですよ。現在はプライベートも含めてアスレタさんに服を提供してもらっているんですが、シーズンごとの流行に合わせたシルエットのものを作ってくれるので本当に助かっています。スポーツブランドだけあって服としての機能性も高いですし、着ていてリラックスできるところがいいですね。

──甲斐さんが“時間”を意識する瞬間は? 
甲斐:フットサルは1秒あれば何か予想外のことが起こせるスポーツ。特に試合の立ち上がりと終わりの3分間はゲームを大きく左右する時間帯なので、特に気を使ってプレーしています。計40分という限られた時間内で行われる競技ですし、やはり“時間”には気を使いますね。普段は時間にルーズな僕が言うのもなんですが(笑)
──時計に対してはどのようなこだわりがありますか?
甲斐:こだわりというほどのものは特にありませんが、僕は時計に関しては気に入ったものを永く愛用するタイプ。練習後などは疲れているのでラフな格好が多い一方、Fリーグの試合ではフォーマルスーツの着用が義務付けられるので、カジュアル、フォーマルのシーンを問わずに身につけられるものがいいですね。
──それでは、数あるTIMEXシリーズの中から一点選んでもらいましょう。
甲斐:センスを問われているようで、けっこうプレッシャーかかりますね(笑)。はい、決まりました。僕は優柔不断なほうなので、普段のショッピングではけっこう時間がかかってしまうのですが、今回は一目ぼれです。この時計はバンドの質感やステッチの入り方が僕好みで、カジュアルっぽいけど飾りすぎない感じがすごく気に入りました。時間にルーズな僕にとって欠かすことのできないパートナーになってくれそうです(笑)。
◆甲斐修侍[かい・しゅうじ]
1972年3月22日生まれ。宮崎県出身。小学校3年より大阪の高槻松原FCでサッカーを始め、6年時に第7回全日本少年サッカー大会で全国3位。優秀選手に選ばれる。中学2年時にジュニアユース日本代表として、タイ・バンコクのプリンセスカップに出場し、準優勝。大阪府立阿武野高校を経て、その後東大阪FC、教研FCなど関西の社会人チームでプレー。24歳のときに山梨県のAzulでフットサルを始め、第3回の全日本フットサル選手権で準優勝。その後、神奈川県のエスポルチ藤沢を経て、1999年にカスカヴェウ東京を結成。以後チームの代表として、カスカヴェウを全国トップレベルのチームに押し上げた。2001年3月からの半年間、日本人初のプロ選手としてブラジルのプロフットサルチーム、カスカヴェウでプレー。2000年にはブラジル・サンパウロ州公認フットサルコーチングライセンスを取得。Fリーグ発足に伴い誕生したペスカドーラ町田では代表を務め、中心選手としても活躍中。
PHOTO : TAKESHI HASHIMOTO
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