なぜ起こる?売上はあるのに現金がない「黒字倒産」の恐怖と回避策

「売上は順調に伸びているのに、なぜか手元にお金がない…」

そんなヒヤリ体験、ありませんか?

私がコンサルティングをしているスタートアップの経営者から、最近よく聞く悩みです。

実は、2020年に倒産した企業7,773社のうち、約半数(46.8%)が黒字倒産だったんです。

つまり、黒字倒産は決して他人事じゃない!

でも安心してください。

正しい知識とツールがあれば、黒字倒産はゲームのように攻略できるんです。

この記事では、資金繰りの不安を「未来を創るワクワク」に変える方法を、私の実体験を交えながら教えちゃいます!

なぜ?「売上があるのにお金がない」のカラクリ

売上と入金のタイムラグが最大の犯人

「売上が上がっているのに、なぜかお金がない」

この謎を解く鍵は、売上の計上タイミング実際の入金タイミングのズレにあります。

掛取引や手形決済の場合、対価が支払われるのは1か月から3か月後になることが一般的なんです。

つまり、こんな流れになっているんですね。

  1. 4月:商品を納品(売上計上)
  2. 5月:請求書発行
  3. 6月:やっと入金!

でも、商品の仕入れ代金や人件費、オフィス賃料は待ってくれません。

このタイムラグが、黒字倒産の最大の犯人なんです。

「勘定合って銭足らず」を図解でスッキリ理解しよう

昔から「勘定合って銭足らず」という言葉がありますが、これがまさに黒字倒産の本質。

簡単な例で説明しますね。

【A社の4月の状況】
売上:1,000万円(6月入金予定)
費用:800万円(すぐに支払い必要)
→ 利益:200万円(黒字!)

でも実際の手元資金は…
前月繰越:100万円
今月支払い:800万円
→ 残高:-700万円(資金ショート!)

帳簿上は200万円の黒字なのに、実際には700万円足りない状況。

これが黒字倒産のカラクリです。

売上が伸びれば伸びるほど、多くの会社では資金繰りは厳しくなるという、なんとも皮肉な現象が起きてしまうんです。

スタートアップが特にハマりがちな3つの落とし穴

私がコンサルティングをしていて、スタートアップが特に陥りやすい落とし穴があります。

落とし穴1:過剰な在庫投資

「売上が伸びそうだから、先に在庫を積んでおこう!」

この判断、実はとても危険なんです。

過剰在庫は資金的な負担となり、資金繰りに無理が生じがちだからです。

在庫は売れるまで「寝ているお金」。

売れなければ、ただの重荷になってしまいます。

落とし穴2:支払いサイトの軽視

「とりあえず契約が取れればいいや」

と、支払い条件をしっかり確認せずに契約してしまうパターン。

30日サイトと90日サイトでは、資金繰りへのインパクトが全然違います。

特に大手企業との取引では、支払いサイトが長くなりがちなので要注意です。

落とし穴3:急成長時の運転資金不足

商品やサービスの開発までに時間がかかったり、計画通りに事業が成長していかない場合は、運転資金が不足し、資金繰りが悪化する可能性が高くなる

成長すればするほど、売掛金と在庫が膨らんで、現金が枯渇していく。

これって、本当によくあることなんです。

あなたの会社は大丈夫?黒字倒産の危険度セルフチェック

3つ以上当てはまったら要注意!危険信号リスト

まずは、あなたの会社の状況をチェックしてみましょう。

以下の項目、いくつ当てはまりますか?

☐ 売掛金の回収サイトが60日以上ある ☐ 在庫回転率が年4回未満 ☐ 月次の資金繰り表を作成していない ☐ 売上が前年比150%以上伸びている ☐ 大手企業からの受注が売上の50%以上を占める ☐ 支払いサイトより回収サイトの方が長い ☐ 借入金の返済が月商の10%以上ある ☐ 手元資金が月商の1か月分未満 ☐ 季節性の高いビジネスモデル ☐ 設備投資を最近大きく行った

3つ以上当てはまったら要注意!

5つ以上なら、今すぐ対策を始めることをおすすめします。

「Excel管理だから大丈夫」が一番危ない理由とは?

「うちはExcelで資金繰りを管理してるから大丈夫!」

そう言う経営者の方、実は一番危険かもしれません。

なぜなら、Excelによる手動管理には、こんな落とし穴があるからです。

リスク詳細
更新忘れ忙しくて更新を忘れがち
計算ミス手入力による人為的ミス
リアルタイム性の欠如情報が古くなりがち
属人化作成者しか内容を理解できない

月次の資金繰り表がないのは、プレシリーズAの調達を終えたらイエローカードと言われるほど、資金繰り管理は重要なんです。

でも、Excelだけでは限界があるのも事実。

次章では、その解決策をご紹介しますね!

もう怖くない!篠田優奈流・黒字倒産を回避する実践アクション

STEP1: まずは現状把握!Excelを卒業して「キャッシュフロー」と友達になろう

黒字倒産を防ぐ第一歩は、現状をしっかり把握すること。

まずはキャッシュフローという概念と仲良くなりましょう。

キャッシュフローとは、簡単に言うと「実際のお金の出入り」のこと。

損益計算書の利益とは全然違うんです。

例えば、減価償却費は損益計算書では「費用」として計上されますが、実際にはお金は出ていきません。

逆に、借入金の返済は損益計算書には出てきませんが、確実にお金は減ります。

この違いを理解することが、資金繰り改善の第一歩なんです。

現状把握のための3つのステップ

  1. 過去3か月の資金の動きを洗い出す
  2. 主要な支払いサイト・回収サイトを整理する
  3. 月末残高の推移をグラフ化する

この作業をやってみると、自社の資金の流れが見えてきますよ。

STEP2: 未来を予測する!クラウドツールで作る「リアルタイム資金繰り表」

ここからが、私の得意分野!

クラウドツールを使った、次世代の資金繰り管理をご紹介します。

資金繰り表の基本式:前月残高 +収入 – 支出 = 月末残高

この基本は変わりませんが、クラウドツールを使うとリアルタイムで更新できるんです。

おすすめクラウド会計ソフトと連携アプリ

2025年現在、おすすめのクラウド会計ソフトを比較してみましょう。

項目freeeマネーフォワード
特徴簿記知識不要で資金繰り表も自動出力2,300以上の金融関連サービスと連携
資金繰り機能自動生成+改善ナビ付き詳細なカスタマイズ可能
操作性初心者向け経験者向け
月額料金2,380円〜2,980円〜

私のおすすめは断然freee!

理由は3つあります。

  1. 直感的な操作性 – 会計知識がなくても使える
  2. 自動化機能が充実 – 銀行・クレカとの連携が強力
  3. 資金繰り改善ナビ – 具体的な改善提案をしてくれる

特に、資金繰り改善ナビは本当に便利。

資金が足りなくなりそうな時期を予測して、ファクタリングや融資の提案まで自動でしてくれるんです。

週1回のチェックでOK!無理なく続けるコツ

「毎日チェックするのは面倒…」

そんな方でも大丈夫。

私が推奨するのは、毎週金曜日の夕方30分だけのチェック体制です。

週次チェックリスト

  • [ ] 今週の入出金実績を確認
  • [ ] 来週の支払い予定をチェック
  • [ ] 翌月末の残高予測を更新
  • [ ] 異常値があれば原因を調査

これだけで、十分に資金繰りをコントロールできます。

コツは、完璧を求めすぎないこと

80%の精度でも、何もしないより100倍マシです!

STEP3: 守りから攻めへ!資金を「武器」に変えるための考え方

資金繰り管理ができるようになったら、次は「攻め」の段階。

資金を守るだけでなく、成長のための武器として活用しましょう。

資金を武器に変える3つの戦略

  1. 戦略的な支払いサイト交渉
    • 回収サイトは短く、支払いサイトは長く
    • 条件改善と引き換えに取引量を増やす提案
  2. キャッシュコンバージョンサイクルの最適化
    • 在庫回転率の向上
    • 売掛金の早期回収システム構築
  3. 余裕資金の戦略的投資
    • マーケティング投資のROI測定
    • 人材投資による生産性向上

特に、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善は効果絶大。

CCCとは、現金が現金に戻ってくるまでの期間のこと。

これを短縮できれば、同じ売上でも必要な運転資金がグッと減るんです。

前職のCEOが言っていた「バックオフィスこそ最強の攻め部隊だ」という言葉。

まさに、資金繰り改善こそが、成長のための最強の武器なんです!

まとめ

黒字倒産の恐怖、もう怖くなくなりましたよね?

重要なポイントを振り返ってみましょう。

黒字倒産を防ぐカギは「現金の見える化」と「未来予測」にあり!

主な原因は「利益とキャッシュ(資金)のズレ」を理解し、実際のお金の流れを把握することが第一歩です。

バックオフィスは最強の攻め部隊!自信を持って資金管理を楽しもう

クラウドツールを活用すれば、資金繰り管理は決して難しくありません。

週1回30分のチェックで、会社の未来をコントロールできるんです。

不安が自信に変わる、今日からできる最初の一歩

まずは現状把握から始めてみてください。

過去3か月の資金の動きを洗い出すだけでも、きっと新しい発見があるはず。

資金繰りの不安がなくなれば、もっと大胆な挑戦ができるようになります。

そのための武器なら、私の引き出しにたくさんありますよ!

一緒に、資金繰りマスターを目指しましょう!

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